「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
静電気、光、その他に関する質問
小野莉沙子さんからの質問:
「色は光だと知りましたが、では光とはどういうものですか?」
光については、昔から多くの物理学者が研究の対象として、実験してきました。 それだけ「光」にはわからないことが多くあったということですね。 その代表例ということで、「カラーコピーの秘密大解剖」テキスト(青いテキストブック)の4ページから7ページに、1666年頃、ニュートンがプリズムを使って行った『太陽光の分解実験』と、1860年頃にマクスウエルが行なった光の『加法混色の実験』を紹介しています。 これら、多くの物理学者の実験から、光と色の関係が明らかになりました。 それは、小野さんの質問に書かれているように、「色=光」ということですね。
それでは、「光の本質とは何か?」ということですね。 小野さんも、このことを知りたいと思っているのでしょう。 私達の身の周りには、たくさんの光が満ち溢れていますが、この光とはどういうものなのでしょうか? これは、なかなか良い質問です。 そしてなかなか難しい質問です。 というのは、多くの物理学者が長年にわたって研究してきた課題でもあるからです。
物理学の世界では、長いあいだ、「光は波か?粒子か?どっちなんだ?」ということが、大きな課題になっていました。 テキストにも出てきたマクスウエルによって、「光は波(電磁波)である」ということが実験的にも理論的にも証明され、一度はこの課題に終止符が打たれたかのように思われました。 ですが、1905年にアインシュタインが行なった実験(光電現象)の結果からは、光を波だと考えると説明ができない、つまり、粒子でなければ説明がつかない結果が得られました。
それでは、現在は光をどのように解釈しているか?というと、光はあるときは波として、またあるときは粒子として取り扱うことにしています。
光はこのように「二つの性質をもっているもの」として扱っています。 なぜこのような解釈になっているかというと、光にまつわる色々な自然現象は、どちらか一方の性質(波、粒子)だけでは説明できないからです。 つまり、波でなければ説明ができない現象(回折現象など)もある一方、その反対に粒子でなければ説明できない現象(光電現象など)があるのです。 光というのは私達のもっとも身近にあるものですが、その本質は神秘に満ちています。
ですので、色について考える時には、光を「波(電磁波の一種)」として扱います。 テキストでも波(電磁波)として扱っています。 このことは、テキストの5ページから7ページに記載されていますので、読んでみてください。
テレビの電波やラジオの電波も波(電磁波)ですが、人間の目には見えません(光として感じられません)。
人間の目が見ることのできる光は、光の波長のうち、ある特定の範囲内にあるものだけです。 この波長範囲は、およそ380nm(ナノメートル)から780nmの範囲です。 1nmは10億分の1mですから、0.000000380メートルから0.000000780メートルといったとてもとても短い波長ですが、この波長の波が目に入ると、光として感じるのですね。 テレビやラジオの電波は目に見える光より1億倍も長い波長の波ですが、これは人間には光として感じることができない(目では見えない)波=電磁波です。