「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の部品に関する質問
斎藤由佳理さんからの質問:
「コピー機を分解すると、色んな場所から歯車が出てきますが、
紙を送る以外にも何か使われているのですか?」
斎藤さんの仰る通り、コピー機の中には、色々な部分に歯車が使われています。歯車は回転する力を順に伝えていって、動かしたい物に力を与える手助けをする部品ですね。
機械の中で、回転力を発生する部品の代表はモーターですね。そのモーターの回転力を歯車が伝え、例えば紙を送るためのローラーを回したりしています。
いま、上の図で1番の歯車がモーターの軸に取り付けられている場合を考えると、モーターが回り始めると、モーターに取り付けられている1番の歯車が回転します。 すると1番の歯車とかみ合っている、2番から6番までの全部の歯車が回転し始めます。
今、3番の歯車に紙を送るためのローラーが取り付けてあるとすると、そのローラーも回転し始めます。 もし4番の歯車に、紙に熱を加える定着ローラーが取り付けられているとすると、定着ローラーも回り始めます。 また6番の歯車に感光体の軸が取り付けられていると、感光体も回り始めます。 こうしてモーターの回転力を歯車が順番に伝えていき、色々な装置に回転する力を伝えることができます。
右にコピー機の断面を示しましたが、この絵の中で丸い部分はローラーの形をしていて、回転する部品です。 これらの回転する部品は、モーターと歯車によって回転させられ、回転することで何らかの仕事をするように設計されています。
このように、歯車はモーターの回転力を伝えるための部品で、回したい物がある時は、下図のように回したい物の軸を歯車とかみ合わせることで、様々なものに回転する力を与えることができます。
● 回転力を切ったり、つないだりするクラッチについて
今までの説明では、モーター軸に取り付けられている1番の歯車が回ると、すべての歯車がいっせいに回り始め、その歯車にローラーの軸が取り付けられていると、すべてのローラーがモーターと一緒に回り続けることになります。
ですが、たとえば3番の歯車とつながっているローラーは、ある特定のタイミングで回したい、という場合があります。 こういう時には「クラッチ」という部品を使うと、歯車が回っていても、クラッチに電気信号が入った時にだけ、ローラーに回転力を伝え、電気信号が切れると、歯車は回っていても回転力をローラーに伝えなくする、といったことができます。