「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の部品に関する質問
原田奈尚さんからの質問:
「トナーという粉は、どうやって作るんですか?」
トナーはプラスチック(樹脂)に様々な成分を含んだものからできています。このトナーの作り方には、「粉砕法」と「重合法」の二通りがあります。
【 粉砕法 】
プラスチック(樹脂)を溶かして、そこにトナーに必要な様々な成分を加え、均一に混ざるように混合します。 その様々な成分が均質に混ざった樹脂を冷やして固めた塊を何回も砕いていって、小さな粒子にしていくやり方です。 固まった樹脂を砕くので、トナーの形は右の写真のように角張った粒子になります。
【 重合法 】
この方法は、例えば水に油を入れてかき混ぜると小さな油の塊ができますが、この油の塊を化学反応で固めるような作り方です。 この方法で、様々な成分を含んで固まったプラスチックは、右の写真のように丸い形になります。
参考:リコーの「P×Pトナー」について(リコーのニュースリリースより)
リコーが開発した「P×Pトナー」は、ポリエステル、着色剤、ワックスなどを用いて化学的に製造する、業界初のポリエステル重合トナーです。 ポリエステル樹脂で構成されているため規則的な分子配列構造になり、従来のスチレン-アクリル系の樹脂で構成されている懸濁重合法や乳化重合法による重合法トナーと比べ、熱特性が均一になることが特徴となっています。
これにより、トナーの定着温度をより一層低くできるため、リコー独自の省エネ技術「QSU」と組み合わせることが可能になり、複写機やレーザープリンターの省エネルギー化に貢献しています。
また、トナーの大きさが約5μmという小粒径、均一を実現したことで、より一層の高画質化に寄与するほか、トナーの使用効率も向上できるため、省資源にも貢献しています。
さらに、粉砕法トナーと比べ、製造時に排出するCO2を約35%以上削減することが可能です。