「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の部品に関する質問
西尾峻吾くんからの質問:
「カラーコピー機のインクはどのような物質でできているのですか?」
コピー機で使われているのは粉のインクで、これをトナーといいます。カラーコピー機には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが使われています。このトナーは直径が0.006mm〜0.010mm程度で、非常に小さな丸い形をしています。
大まかに説明すると、左の図のようにトナーは透明な樹脂の中に色をつけるための顔料という材料(物質)を含んで丸い形を作り出しています。しかし実際に皆さんが使うカラーコピー機のトナーには、7〜8種類ほどの材料が含まれています。こんな小さなトナーに、どうしてたくさんの材料が含まれているのでしょうか。
それは、どんな環境でもトナーを正しく機能(働き)させるために必要だからなのです。たとえば「暑いところでもトナー同士がくっついて固まらないようにする」、「機械の中で溶けて他の部品にくっつかないようにする」、「安定した量の静電気を発生させ、保持できるようにする」といったことが必要になります。そのために多くの材料がトナーの中や表面にくっついています。
左図は、8種類の材料を含んだトナーのイメージです。それぞれの材料がどのような目的で入っているか簡単に説明します。
- ・樹脂(2種類)…決められた温度で溶けるようにする
- ・極性制御材…決められた極性の静電気を樹脂表面に発生させる
- ・抵抗制御剤…発生した静電気を長時間保持する
- ・添加剤(2種類)…トナー同士がくっつかないようにする
以上のように、単純にみえるトナーにも様々な役割を持った材料(物質)がたくさん入っていて、とても複雑にできているのですね。