「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の部品に関する質問
石川賢人くんからの質問:
「リサイクルする部品はどういう風に使うのですか?」
石川さんの質問にお答えする前に、なぜ?リサイクルが必要なのかについて少しお話します。
21世紀は、これまで以上に地球の環境を改善し、守っていく活動が大切なテーマになってきています。 ある計算によれば、50年後には地球の人口はおおよそ100億人に達し、その時点でも現在のように大量に物やエネルギーを使い、捨てていく生活のパターンを変えないままだと想定すると、地球は約3個必要になると言われています。 「50年後」というとずいぶん先の話のように思うかもしれませんが、今から危機感をもって取組まないと手遅れになり、取り返しのつかない事態になるかもしれませんね。
そこで、私たちにできることは何があるか、考えることが大切です。
私たちにできることの一つに、リサイクルがあります。 一度使って不要になった物を捨ててしまうと、それは単なるゴミになってしまいますが、捨てるのではなく、分けて回収すれば資源としてもう一度使えるのです。
例えば、石川さんのお家でも「燃える物」「燃えない物」とか、あるいは「資源回収」といった言い方で、物を分けて出していませんか?
このようにゴミを分けて回収すると、燃える物はエネルギーとして再利用できますし、燃えない物も金属とかガラスとかのように材料別に分けることで、もう一度それらを溶かして、新しい金属製品やガラス製品の材料として再利用できるのですね。 他にも新聞紙は、回収してもう一度新聞紙を作る紙の材料として再利用していますね。
ゴミを一緒くたにし色々な物を混ぜてしまうと再利用することが難しく、本当にゴミになってしまいますが、分ければ立派な資源に生まれ変わることになります。 多くの人が参加すれば、それだけ大きな効果が期待できます。
カラーコピー機などの部品のリサイクルも同じことです。
回収したプラスチック、金属、ガラス、電気(電子)部品などを、もう一度、材料として再利用する為にリサイクルしています。
石川さんが参加されたコピー機を分解する実験では、プラスチックや金属は同じ箱に入れましたが、プラスチックにも色々な材料がありますし、金属にもアルミや鉄など種類がありますので、さらにもう一段、細かな材料ごとに分けなければなりません。
そのため、回収した材料をリサイクルする業者さんにお願いして、より細かく材料ごとに分類してもらっています。 こうしたリサイクル作業時に業者さんが分類しやすいよう、プラスチック部品にはあらかじめ材料名を表わす印がついています。
金属の鉄やアルミは、磁石を使って分けています。鉄は磁石に吸いつきますが、アルミは反応しませんので、磁石を使って分けることができるのです。
また、プラスチックや金属が一体となった部品は、細かく砕くことで、それぞれの材質ごとに分けることができます。
また、電気(電子)部品は、細かく砕いて電気(電子)部品の中にわずかに使われている金や、地球上にわずかしかない貴重な金属(希土類)を化学的な手段を用いて取り出すことも行っています。 一つ一つの部品に含まれる量はわずかであっても、大量の部品から回収できれば、まとまった量の材料を取り出すことができます。
このようにして最終的にゴミとして捨てるものを極力少なくし、地球の限りある資源を、大切に、有効に使っていこうとしています。