コピーの不思議Q&A|Ricoh Japan


コピーの不思議Q&A


「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。


コピー機の構造に関する質問コピー機の構造に関する質問

高橋涼太くんからの質問:

「 インクのチューブが抜けてしまった時、インクが少しだけこぼれてから止まったのはなぜですか?」

高橋さんはインクチューブが抜けた時に、インクがチューブから出てくる、その出方に興味というか、疑問を感じたようですね。 これはコピー機の分解作業の時ですね。 自分の体験したことの中から、興味や疑問を感じて、考えたり、調べたりすることは科学者や技術者の最も大切な心構えですね。

どこのチューブがどのような状態で抜けてしまったのか、状況がよくわかりませんが、質問から推し量って回答することに致します。

下の図はインク(以下、トナーと書きます)が詰まっているトナーボトルと、トナーを運ぶトナー搬送パイプ(チューブ)を絵にしたものです。 このトナーは、現像部へと運ばれるようになっています。 コピー機の中には、このような機構が、イエロートナー用、マゼンタトナー用、シアントナー用、ブラックトナー用と、4つ入っています。

トナーが詰まっているトナーボトルは、現像部へ向かってトナー搬送パイプで繋がっていますカラーコピー機でトナーを送っていない時は、右の図のように、パイプの中のところどころにトナーが残っています。 トナーは粉のインクで、例えばおうちにある「うどん粉」をイメージしてもらえば、わかりやすいですね。



トナーボトルに空気を送ると、中のトナーが空気の流れで搬送パイプを遠って運ばれていきますトナーは「うどん粉」のようなものですから、水のようにさらさらではありません。 これを現像部に送る時には、次の絵のようにトナーボトルに空気を送り、トナーと空気を混ぜてやります。 すると、トナーは水のように「さらさら状態」になり、空気の流れに乗って運ばれていきます。



電源が落ちている状態で搬送パイプが外れると、パイプに残っている微量のトナーが漏れることがあります高橋さんが参加した実験でコピー機を分解した時には、電源が入っていませんから、当然、空気は送られていません。 そしてパイプ(チューブ)が外れたということですから、インク=トナーは、右の絵のような状態になっていたことが考えられます。



トナーは「うどん粉」のようなものですから、多少チューブが下向きに傾いたとしても、チューブの内面に付着したまま、水のように流れ出てはきません。 チューブが抜けた時には、トナーが出てこないことも有り得るわけですね。

でも実験では、皆で動かしたり、叩いたりしながらコピー機を分解しますので、その時にチューブが動いたり振動してチューブの内面に付着していたトナーが、はがれて出てくることも考えられます。 その後ずっと出なかったのは、チューブの内面に付着していたトナーが全部はがれて無くなってしまったか、あるいは機械を動かしたり、叩いたりすることがなかったため、チューブが動いたり、振動することがなかった、といった理由も考えられます。

いずれにせよトナーは粉ですので、本来的には電源が入っていて、風が送られない限りは、液体インクのようにさらさらと流れ出てくるものではありません。