「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の構造に関する質問
西野夏未さん、原田奈尚さんからの質問:
「カラーコピー機を一番細かくした時、部品の数はいくつですか?」
「部品の名前をなるべく詳しく教えてください」
「部品を作るときに一番大変なのはどんな部品ですか?」
「カラーコピー機を一番細かくした時、部品の数はいくつですか?」
部品をどの程度、細かくして数えるかで、部品の数が違ってしまいます。 例えば、「モーター」を「1個」と数えるか、さらに細かく分解してモーターの中の部品を一つ一つ数えるかで部品の数が違ってきますね。
でも、私もモーターをさらに分解して、中の部品を一つ一つ数えたことはありませんので、この質問に対しては、「モーター=1個」とする数え方で部品の数をお答えしたいと思います。 このように数えると、部品の数はおよそ2,200点になります。 この他に、ネジが750本ほど使われています。
「部品の名前をなるべく詳しく教えてください」
コピー機の部品は2,000点以上もありますので、部品の名称を全部書き出すことは出来ませんが、ご了承くださいね。
部品には、全て部品ごとに番号がついています。 これを「部番」と呼んでいます。 そしてこれら部番ごとに、部品の名前がついています。 これを「部品名称」と呼んでいます。 このように部品を番号と名称によって分類し、1台のコピー機に何個の部品が必要かがわかるようになっています。
実際の組み立ての現場では、例えば下のような表を使っています。 様々な部品の名前があることがわかると思います。
「部品を作るときに一番大変なのはどんな部品ですか?」
部品を作るときに一番苦労するのは、要求される寸法精度が高ければ高いほど、作るのが難しいということです。 例えば次のような図面があったとします。
この図面の要求は
- 横が「130±1」ということは、129mm〜131mmの間に入るように作りなさい。
- 縦が「100±1」ということは、99mm〜101mmの間に入るように作りなさい。
- 厚みが「10±1」ということは、9mmから11mmの間に入るように作りなさい。
ということで、±1mm以上狂ったらダメですよ、という事です。
また、下のような図面があったとします。 上の図面と形は同じですが、要求する寸法はより精度の高さが要求されています。
この図面の要求は
- 横が「130±0.001」ですから、129.999mm〜130.001mmの間に入るように、
- 縦が「100±0.001」ですから、99.999mm〜100.001mmの間に入るように、
- 厚みが「10±0.001」ですから、9.999mm〜10.001mmの間に入るように作りなさい。
ということで、±0.001mm以上狂ったらダメですよ、という事です。
このように、その部品が使われる場所によって要求される精度が変わり、形は同じでも図面が要求する寸法の精度が「1,000倍も高い!」といったことが実際には有り得ます。 ですから、一概にこの部品は作りやすい、この部品は作るのが難しいと決めることはできません。
要は、対象とする部品にどのような機能を持たせるか、どこに使われるのかによって、その部品に要求される精度が高くもなり、低くもなるということですね。
実際のコピー機の中で、一般的に要求する寸法精度が高い部品といえば、光学部品であるレンズやポリゴンミラーなどの部品があります。 また高速で回転する部品であるポリゴンモーターなどのモーター軸や、その回転する軸を受けるベアリング(軸受け)、滑らかに駆動を伝達しなければならない高精度な歯車(ギヤ)などの部品ということになります。