「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の構造に関する質問
西川 貴くんからの質問:
「配線や配線のビニールはどうやってリサイクルするんですか?」
電線(配線)は、中の銅線と外側の被覆材とに分けて材料として再利用しています。 被覆材には塩化ビニールやポリエチレンなどの材料が使われていますので、リサイクルするには材料ごとに分ける必要があります。 混ぜてある状態では、材料として再利用できません。
銅線と被覆材をどうやって分けるのかというと、たとえば電力ケーブルのような太い電線の場合は、専用の機械を使って被覆材をむいて分けています。 また、細い電線などは細かく粉砕して銅線と被覆材とをバラバラにし、比重(単位体積あたりの重さ)の違いを利用して銅と被覆材とを分ける、といった方法を使います。 そして、銅と被覆材とを分けたあと、それぞれを溶かして一定の形に固め直し、材料として再利用します。
なお、被覆材の中には材料としてリサイクルするには難しい材料(例えば、架橋ポリエチレン)があります。 そのような材料は、燃料として(火力材料として)利用しています。
リサイクルする上で大事なことは、材料ごとに分けることです。 混ぜてしまっては、材料としてリサイクルすることができません。 コピー機を分解すると、カバーなどのプラスチック材(樹脂)がたくさん使われていることがわかります。 こうしたプラスチック材にも、色々な種類があります。
そこでリサイクル業者では、まず集めたプラスチック材を素材ごとに分類します。 この時、分類しやすいよう、プラスチック材にはあらかじめ材料の種類をあらわす記号がつけられています。
ご質問に対する回答は以上ですが、リサイクルの重要性に関して少し書いておきますので、読んでみてください。
21世紀は、これまで以上に地球の環境を改善し、守っていく活動が大切なテーマになってきています。 ある計算によれば、50年後には地球の人口はおよそ100億人に達します。 その時点での人間の生活が、現在と同じように物やエネルギーを大量に使って、捨てていくスタイルのままだった場合、地球は1個では足りず、ほかに2個ほど必要になるそうです。
50年というと、ずいぶん先の話のように思うかもしれませんが、今から危機感をもって取り組んでいかないと、気が付いた時には手遅れとなり、取り返しのつかない事態になるかもしれません。
そこで、今、私たちに出来ることは何か?と、考えることが大切になってきます。
私たちに出来ることの一つに、リサイクルがあります。 不要になった物は、捨ててしまえば単なるゴミになってしまいますが、捨てるのではなく、分けて回収すれば、資源としてもう一度利用することができるのです。 たとえば、西川くんのおうちでも、燃える物と、燃えない物、あるいは資源回収という呼び方で、ゴミを分けて出していますよね?
このように分けて回収すれば、燃える物はエネルギー(火力燃料)として再利用できますし、燃えない物も、金属やガラスというように分ければ、もう一度、それらを溶かして新しい金属製品やガラス製品の材料として再利用できるのです。 新聞も回収して、もう一度新聞紙を作る紙の材料として再利用していますよね。
ゴミとして色々な物を混ぜてしまうと利用するのが難しいので、本当にゴミになってしまいますが、分ければ立派な資源に生まれ変わるのです。 多くの人が参加すれば、それだけ大きな効果が期待できますね。