「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の構造に関する質問
丸太裕太くん、佐野龍太郎くんからの質問:
「 値段が違うと、なにが違うのですか?」
コピー機の値段はどのような違いによって生じるのか、幾つかお話しいたします。
1.コピーがとれる用紙の最大サイズによる違い。
A4, A3、A2、A1、A0とだんだん用紙のサイズが大きくなりますが、大きな用紙にコピーできるコピー機は、機械のサイズが大きくなります。 そのため部品の大きさが大きくなり、部品を加工する時間が長くなったり、使用する部品の材料が多くなったり、機械も重くなるので、それらに耐えうる強度の強い材料やパワーの大きなモーターなどが必要になります。 こういったことから、大きなサイズにコピーできるコピー機の値段は高くなってしまいます。
2.コピーが取れるスピードの違いによるもの。
コピーがとれる用紙の大きさが同じでも、コピーをとれるスピードの違いによって値段の差が生じてきます。 スピードの速い機械は、短い時間に様々な処理をこなしていかなければなりませんので、処理速度の速い電子部品が必要になったり、短時間に大きなパワーを出せるランプやモーターなどの部品が必要になったり、さらに一つ一つの動く部品は長時間、熱や磨耗に耐えうる強い部品が必要になります。 こういったことから、スピードの速いコピー機の値段は高くなってしまうのです。
3.コピー機の持つ機能の多さの違いによるもの。
コピーがとれる紙のサイズやコピーのスピードが同じであっても、コピー機の機能の違いで値段の差が生じてきます。 一番わかりやすい機能の違いは、カラーコピーが取れるか取れないかですね。 白黒コピー機よりもカラーコピー機は部品が多く必要になりますので、カラーコピー機の方が値段が高くなります。
コピー機にはこれら以外にも多彩な機能があります。 紙の原稿からコピーをとるだけのコピー機から、パソコンとつないでパソコンの中に蓄えてある情報を紙にプリントできるプリンターとしても使えるコピー機や、スキャナーとして使うことができ、読み取った原稿データをパソコンに送ることのできるコピー機や、ファックスとして遠くに情報を送れるコピー機や、デジタルカメラなどとつなぎ、とった写真を紙にプリントできるコピー機など、コピー機には多彩な機能を持たせることができます。 これらの機能が多ければ多いほど、コピー機の値段は高くなります。
4.原稿用紙やコピー用紙などの紙処理の違いによるもの。
原稿を1枚ずつ原稿台にセットし、1枚ずつコピーボタンを押してコピーをとる作業は、原稿の枚数が少ない時には苦になりませんが、原稿が数十枚もあると面倒ですね。 これらの作業を簡単にしたのが、自動原稿送り装置です。 原稿をセットしてコピーボタンを押せば、自動的に原稿を一枚一枚送ってコピーをとってくれます。
また、3ページ分の原稿をコピーして10人に配布する場合を考えてみてください。 この場合の作業のやり方の一つは、もっとも普通のやり方で、1ページ目を10枚コピーし、2ページ目を10枚コピーし、3ページ目を10枚コピーしてから、その後で1ページ、2ページ、3ページと順番に抜き取って、10人分を手作業で準備するやり方です。
2つ目は、3ページ分の原稿を自動原稿送り装置で送ると、コピー機の機能でコピーが1ページ、2ページ、3ページというページ順に作られて、自動的に10人分を作ってくれるやり方です。 これは10人分を手作業で準備しなくてもいいので楽です。
3つ目は、2つ目のやり方に、更にプラスした便利なやり方で、1ページ、2ページ、3ページというページ順になっているものを、コピー機が自動的にホッチキス止めして10人分作ってくれるものです。 このような原稿やコピー用紙の紙処理の機能は便利なものですが、これらの機能のあり/なしで、コピー機の値段の差が生じてしまいます。
以上、コピー機のどのような違いによって値段が変わってくるか、お話ししました。 値段が違うということは、お話したような事柄に違いがあるということですね。