「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピー機の機能に関する質問
中谷勇斗くんからの質問:
「1分間に何枚コピーできますか?」
「コピー機になってみよう!」の実験のように手作業でコピーを作ると、1枚のコピーを作るまでに、およそ300秒(5分)ほどかかります。 では、コピー機はどうでしょう?速いコピー機は、0.5秒とか1秒で一枚のコピーを作り終えます。 ですから、質問にあった「1分間」では、60枚〜120枚のコピーが取れます。
どうしてこんなに速くコピーを作ることができるのか説明しますね。
「コピー機になってみよう!」では、まず皆さんに原稿を描いてもらいます。 原稿ができたら、暗室に入ってコピーを作る実験の始まりです。
まず感光紙に静電気をのせる「帯電」という仕事をします。 次に、原稿を裏返しにして感光紙に重ね、光をあてる「露光」という仕事をします。 露光が終わったら、感光紙にトナーという粉をつける「現像」という仕事をします。 このように、一つの仕事が終わってから、次の仕事にとりかかるというやり方ですね。 これでは時間がかかってしまいます。
コピー機は、感光紙を「帯電」しながら「露光」し、露光しながら「現像」するというように、色々な仕事を同時に進めています。 そのために、感光紙と同じ働きをする装置を丸い円筒形をした金属で作り、コピー機の中でぐるぐると回転させています(感光紙ではなく「感光体」と呼びます)。 この感光体が回転することで、「帯電」⇒「露光」⇒「現像」⇒「転写」⇒「クリーニング」という仕事を同時に行うことが出来ます。 それで、手で順番に行うよりも早くコピーが取れるのです。
実際のコピー機の中身はどうなっているのでしょう? 下に白黒コピー機の断面図(だんめんず)を示しました。
見てほしいのは、作像部というところです。 この作像部を拡大した絵が右にあります。 丸い形をした感光体がありますね。 この感光体が矢印の方向に回転しています。 その感光体のまわりに「帯電」するところ、「露光」するところ、「現像」するところ、「転写」するところ、「クリーニング」するところがあります。 こうすることが帯電しながら露光し、露光しながら現像し、現像しながら転写し、転写しながらクーリニングするという、一連の仕事をいくつも同時に行うことが出来るので、コピーがアッというまに出来るのですね。 転写でトナーを受け取った紙は上に運ばれて、定着装置に入り、熱を受けてトナーをしっかりと紙にくっつけて、コピーが出てきます。
以上が、コピー機が速くコピーできる仕組みです。