「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピーの仕組みに関する質問
長倉義樹くん、北山なぎささん、坂井 響くんからの質問:
「どうしてトナーを熱するとくっつくのですか?」
紙に移したトナーは指でこすると、すぐに取れてしまいます。取れないようにヒーターで温めて、熱を加えましたね。なぜでしょう?
「コピー機になってみよう!」で行った実験を思い出してみましょう。
紙についたトナーをこすっても取れないようにするために、下の図の「定着装置」に入れて熱を加えましたね。覚えていますか。
定着装置の中に入ったコピー用紙の上に乗ったトナーを、下図のように拡大して見てみると...
1. 熱を加える前の状態
トナーは紙の上に、ただ乗っかっているだけです(=こすると、取れてしまいます)。
2. 熱を加えている時の状態
トナーは樹脂(プラスチック)でできているので、熱によって溶けだして紙にしみこみ、紙の繊維に絡まります。
3. 熱を加えた後の冷えた状態
紙の繊維に絡んだ状態で冷えて固まると、紙から取れなくなります。
では、2.の説明にある「紙の繊維」とはどのようなものでしょう?下に写真を載せましたので見てみてください。
滑らかに見える紙の表面を顕微鏡で200倍、2000倍と拡大すると、写真のような構造になっているのが解ります。
細い糸のように見えるのが、紙の繊維です。紙はこのような繊維が絡み合ってできているのです。融けたトナーはこの繊維に絡まり、絡まった状態で冷えて固まると、取れなくなるのですね。