「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。
コピーの仕組みに関する質問
村形祥太郎くんからの質問:
「露光の光はふつうの電球の光なんですか?」
お答えします。結論から言えば、露光に使っているのは、普通の電球の光です。
なにをもって「普通の光」、「普通でない光」と言うのかをハッキリさせないといけませんが、実験に使っているのは一般に売られている白熱電球と呼ばれているものです。 どうして白熱電球と呼ばれるのかというと、電球の出す光が太陽光に近い白色をしているからです。
光と色は密接な関係があって、興味深い科学的な内容を含んでいますが、大きくなったら学校で勉強することになりますので、少しだけ触れておきます。
人間は、光が目に入ると「赤色の光」や「緑色の光」、「青色の光」というように、目と脳で色を感じるようにできています。
太陽の光は白色にみえますが、この白色光には「赤色の光」と「緑色の光」と「青色の光」が等しく含まれています。 赤、緑、青が等しく含まれていると、人間の目は白色を感じます。これら、赤、緑、青のことを「光の3原色」と言って、これらを重ねて様々な色を作り出すことができます。
左の絵は「光の3原色」を重ねたときにできる色を示しています。
たとえば、赤と青が重なるとピンクっぽい色(マゼンタと言います)になりますし、緑と赤が重なると黄色に見えます。 また、赤、青、緑を重ねると白色に見えますね。 このように光の3原色を重ねると様々な色の光を作り出すことができるのです。 太陽の光が白色に見えるのは、赤、緑、青を均等に含んでいるからですね。
実験で使った電球は、このような光を含んでいる白熱電球です。
また、皆さんが暗室に入った時、赤い電球の光が点灯していたのを覚えていますか? 光がないと真っ暗で何も見えないので、弱い赤い電球の光をつけていました。
実験で使う感光紙は赤い光を感じにくい性質を持っています。 つまり、弱い赤い光があたっても感じないので、感光紙にのせた静電気を、露光する前に失うことがないのです。 それで、感光紙が感じない、弱くて赤い光を出す電球をつけていました。
静電気を素早く消す為には、青や緑の光で露光することが必要です。 白熱電球は青や緑の光を含んでいるので、露光に使えるのです。